「拡大から集約」の都市づくり
今年は、「都市づくり」の質問を準備しています。仙台市が「まちづくり路線の転換」に動き始めています。
仙台市の奥山恵美子市長は1日の定例会見で、都市計画道路網を見直し、70区間68.5キロを廃止することを盛り込んだ「新たな幹線道路網案」を発表した。
人口減少や少子高齢化の進展などを踏まえ、まちづくりの路線を「拡大」から「集約」に転換する。
見直し案によると、現行の総延長500キロのうち、整備分を除いた168区間143.5キロを検討。
公共交通機関との接続や渋滞緩和の効果、交通量の見通しなどを総合的に評価し、継続か廃止を判断した。
また、地下鉄東西線の開業を見据え、過度に車に依存しない交通体系を構築することを柱とした「せんだい都市交通プラン案」を提示。
今後10年間で、地下鉄への乗り継ぎを考慮したバス路線の再編やIC乗車券の導入、仙台駅前広場の機能強化などを進めていく。(産経ニュース2010.6.2 より)
福岡市でも、今年に入り、都市計画道路の見直しを発表しています。
それは、「長期間そのままになっている31区間16.2キロについて、整備取りやめを含む見直し対象とする」。
(西日本新聞2010.3.5より)とのことでした。仙台市の「拡大から集約に転換」のように、もっと根本的な都市のあり方からの見直しではないようです。
まちづくりの路線を「“拡大”から“集約”に転換」は、人口減社会が目の前にある今、都市計画の大きな見直しの方向です。
都市計画道路見直しは、土地利用計画とともに見直さなければなりません。
昨年のアメリカ視察で、「環境重視の都市づくり」の観点から、日本のコンパクトな都市に学びたいと何カ所かで聞かれました。
用途地域の配置とともに道路計画を考える。単に中心に何でもあり、まわりから、車や交通機関を使って中心に集まる計画ではない。
リサイクルを前提とした、他の生(いのち)との住まい方、子ども達の学び方と遊び方、仕事のし方と内容など、これからのライフスタイルによって、用途地域の配置、道路計画は見直されねばならないと思います。
増え続ける福岡のマイカー依存率(H17年42.2%)。
長期的視点に立って利用しやすい公共交通でほとんどの市域をカバーする。
そのことによって都市としての経済的な競争力を高める。
低床式市内電車を導入した動機を富山市長は「雇用を増やすために電車を導入した」と語られました。
富山、クリティバ、ソウル、サンフランシスコ、参考にすべき未来志向の都市は多い。
それらを学び、骨格となる公共交通の、運営まで含めた手段・路線の長期的に動かない計画を、土地利用計画とともに新しい都市ビジョンの下に、決定すべきだと考えています。